2024年5月5日、新民週刊は韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏の「高級バッグ受け取り疑惑」で韓国検察がソウル中央地検に専門チームによる捜査指示を出したと報じた。

記事は、金氏が先日の総選挙期間中を含め、公の場に姿を見せない状況が続いており、現地メディアからは「金氏が表に出れば与党の選挙戦が苦しくなる」との見方が出ていたと紹介。結局与党は総選挙で敗北し、尹大統領の支持率も23%と低迷する中で、勢いづいた最大野党・共に民主党が金氏への追求を強める方針を示したのに合わせて、検察も捜査に本腰を入れ始めたことを伝えた。

そして、今回の疑惑について金氏が22年9月に在米韓国人牧師から300万ウォン(現在のレートで約34万円)の高級バッグを受け取ったと指摘されていること、金氏をめぐっては以前にも大学の兼任教授に採用された際に提出した経歴書の内容の半分以上が事実と異なると指摘されたことがあり、この時には警察は証拠不十分、公訴時効を理由に送検を行わなかったと紹介した。

記事はその上で、尹大統領が歴代大統領では初めて大統領府(青瓦台)以外の場所で執務を行っており、地元メディアが「風水師に頼んだ上で執務場所を決めた」と紹介。「任期5年、再選を認めず」という韓国の大統領制度に起因し、歴代大統領が暗殺、退任後の自殺、刑事訴追など波乱の末路を迎える「青瓦台の呪い」を回避する狙いもあるものと思われるものの、親米や親日政策が不評を買って支持率が低下するとともに、妻の金氏がスキャンダルに遭遇する中、検察官出身の尹氏は自身を取り巻く状況がますます厳しくなっていることを「もちろんはっきり認識している」だろうとした。(翻訳・編集/川尻)