Michael Martina Michael Erman Karen Freifeld

[28日 ロイター] - 関係筋によると、米情報当局は先月下旬、バイオテクノロジーの安全保障に関する法案を審議している上院議員に対し、中国の医薬品メーカー、無錫薬明康徳新薬開発が米国の知的財産を無断で中国当局に移転したと報告した。

連邦捜査局(FBI)、国務省、国家情報長官室が上院議員十数人に対する極秘の説明会を開催し、無錫薬明康徳などの中国企業が米国の国家安全保障上の利益に反する活動に関与していると指摘。無錫薬明康徳が米国の顧客の知的財産を無断で中国当局に移転したと説明した。

顧客の名前や具体的な知的財産の種類は不明。

無錫薬明康徳の広報担当は「当社が米国の顧客のデータや知的財産を中国に不正に移転した事実は把握していない。顧客情報の保護は当社にとって最重要であり、顧客の指示に従って情報を保管している」と表明。米連邦・州当局の基準を「尊重し完全に順守している」と述べた。

在ワシントンの中国大使館は、無錫薬明康徳が国家安全保障上の脅威になっているとの議会の主張は不当だとし「無錫薬明康徳やその関連企業が知的財産権に関する法律に違反していると考えているのであれば、その主張を裏付ける説得力のある証拠を提出すべきだ」と述べた。

米上院の国土安全保障・政府問題委員会は今月6日、国家安全保障上の懸念を理由に中国の華大基因(BGI)グループや無錫薬明康徳といったバイオ企業との取引を制限する法案を承認した。