Shinichi Uchida

[東京 29日 ロイター] - 小林製薬の小林章浩社長は29日、大阪市内で記者会見を開き、同社の紅麹(こうじ)関連製品の摂取者に健康被害が拡大しているとされる問題で、健康被害を訴えている摂取者に診察や治療をしてもらうのが最優先で、必要に応じて補償していくことが大事だと述べた。進退に関しては「今のところは考えていない。取り組まなければいけないことに集中したい」と語った。

小林社長は「原因を究明して再発防止をとっていくことがわれわれの責任だ。リーダーとして現時点ではそれを進めていきたい」とも話した。同席した幹部は、原因となった成分の解析に関し「これから先は国の研究機関とともに、情報提供しながら解明を進めていく」と語った。

商品の回収費用などの負担について、影響が想定以上に広がっているため「金額がどうなるか算出することが非常に難しい状況だ」と説明。業績への影響に関しては、当期(2024年12月期)に発生した事象であり、当期のうちに算出できるよう努めたいとの考えを示した。

紅こうじ関連製品摂取者の健康被害を巡り、28日午後10時時点で関連が疑われる死亡者は5人、延べ入院者数は114人と公表した。事実や因果関係の確認を進めているとしている。

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