[東京 19日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比1260円89銭安の3万6818円81銭と、大幅に反落した。米連邦準備理事会(FRB)当局者のタカ派的発言や中東情勢の緊迫化など株価の下押し材料が複合的に発生し、世界的にリスク回避の動きが加速した。日本株は全面安の展開となり、前場の日経平均の下落率は3.31%となった。

日経平均は355円23銭安でスタート。朝方はFRB当局者の発言を受けた利下げ観測の後退、台湾積体電路製造(TSMC)の決算などが主な下落要因だったが、その後イスラエルのミサイルがイランの拠点を直撃したと伝わり、パニック売りが広がった。日経平均は寄り付きで心理的節目の3万8000を下回った後も下げを加速させ、3万7000円割れとなった。  

主力株では、東京エレクトロンが7.76%安となり、1銘柄で日経平均を約274円押し下げたほか、アドバンテスト、信越化学工業が5%超安、レーザーテックは9%超安となるなど、半導体関連株が急落した。ソフトバンクグループは4%超安、ファーストリテイリングは1%超安。一方、INPEXは4.95%高だった。

米ABCニュースは18日、米政府当局者の話として、イスラエルのミサイルがイランの拠点を直撃したと伝えた。また、イランのファルス通信は、中部イスファハンの空港で爆発音が聞かれたと報道。現時点で理由は不明としている。イスファハン州にはナタンツのウラン濃縮施設など、イランの核施設が複数ある。

アイザワ証券の坂瀬勝義国内情報課長は「もともと売り材料が総じて多い中、中東情勢を巡る悪材料が直撃。海外勢、個人勢、投機筋が投げ売りしている」との見方を示した。目先は3万6000円が下値メドとなるという。  

東証株価指数(TOPIX)は2.78%安の2603.07ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆7513億1800万円。東証33業種では、値下がりは電気機器、機械、精密機器など30業種で、値上がりは鉱業、海運、石油・石炭製品の3業種だった。原油先物の急騰を受けて石油関連は逆行高となった。  

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが47銘柄(2%)、値下がりは1600銘柄(96%)、変わらずは5銘柄(0%)だった。