きょうも円相場が乱高下しました。外国為替市場では、1ドル=153円ちょうどまで一気に4円以上、円高が進む場面があり、政府・日銀が「円買いの市場介入」に踏み切ったとみられます。

大きく動いたきっかけは、市場が注目していたFRB・パウエル議長の会見でした。

FRB パウエル議長
「次の政策金利が、引き上げられる可能性は低いと考えている」

この発言、円安の大きな要因となっている日米の金利差が、当面、拡大しないとの受け止めが広がり、円相場は157円ちょうど付近までやや円高に。

しかし、会見終了から30分後の午前5時過ぎ。円相場に大きな異変が…、153円ちょうどまで一気に4円以上、円高が進みました。

政府・日銀が「円買いの市場介入」を短時間で、断続的に行ったとみられます。

金融関係者
「今回は不意打ちだった。いつでもやるんだという姿勢を示したかったのではないか」

金融関係者が指摘する“不意打ち”の為替介入。いったい、どういうことなのか。

今週月曜日。円安が加速し、160円をつけた直後、まとまった円買いが入り、一気に154円台まで円高が進んだのです。

しかし、今回は、157円台で小幅な値動きが続いていた中での急上昇で、市場関係者も予想していなかったタイミングでした。

りそなHD市場企画部 井口慶一シニアストラテジスト
「(両方、介入であれば市場の)疑心暗鬼は増幅された。155円から160円の間は常に介入が実施される可能性がある形で、警戒心は非常に増している」

金融関係者
「円安のパワーはものすごく強い。『いつでもやるぞ』の脅しがどこまで通用するか」

日米の金利差が縮まらない中で円安の圧力が弱まることはなく、今後、政府・日銀がどのように対処していくか。市場との対決は続きます。