[デトロイト 23日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が23日発表した第1・四半期決算は、市場予想を上回る増収増益だった。安定した価格設定やガソリン車への旺盛な需要が追い風となった。通年の業績見通しも上方修正した。

GMの株価は午前の米株式市場で約5%上昇した。

第1・四半期の純利益は前年同期比24.4%増の30億ドル。調整後1株当たり利益は2.62ドルで、LSEGのまとめたアナリスト予想の2.15ドルを上回った。

売上高は7.6%増の430億ドル。市場予想は419億ドルだった。

2024年の調整後税引前利益見通しについては125億─145億ドルとし、従来の120億─140億ドルから引き上げた。

ポール・ジェイコブソン最高財務責任者(CFO)によると、金利が高水準にとどまっているものの、第1・四半期の需要は堅調だった。4月に入っても価格は安定的に推移しており、年内に2─2.5%値上げする計画という。

24年は好調な滑り出しとなったものの、足元の課題は中国での販売減速と、人身事故の影響で苦境に陥っている傘下の自動運転車部門クルーズへの対応となる。

中国事業は第1・四半期に1億0600万ドルの損失を計上。ただ、ジェイコブソンCFOは、赤字が社内予想よりは小幅だったほか、第2・四半期および通年では黒字になる見通しとした。

メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は、中国事業の閉鎖もしくは売却の可能性はあるかという質問に対し、「GMがシェアを拡大する余地はある」とし、中国市場に長期的にコミットしているという認識を示した。

自動運転車部門クルーズは23年に27億ドルの税引き前損失を計上。GMは1月、今年の支出を約10億ドル削減すると発表した。第1・四半期のクルーズ向け支出は4億ドル、通年の費用は約17億ドルに達する見込み。

EV事業については、ジェイコブソンCFOは黒字化見通しを堅持し、固定費を除く変動利益が24年下期までにプラスに転じると予想した。