David Lawder

[ワシントン 30日 ロイター] - イエレン米財務長官は30日に下院歳入委員会が開いた公聴会で、米国が企業の研究開発に適用する税額控除について、国際的に共通の最低税率を15%とする枠組みから切り離すのを認めてもらう交渉を各国と進めていると明らかにした。

イエレン氏は「われわれは研究開発の税額控除が(米国にとって)好ましい方向に扱われるよう他国と協議しており、話し合いは成功すると期待している」と語った。

経済協力開発機構(OECD)が音頭を取って合意された共通の最低税率を巡っては、野党共和党議員から米企業が不利になるとの批判が出ている。

しかしイエレン氏は改めてこれを否定。また政府にとっても長期的に見ると共通税率や課税権配分を調整するもう一つの国際的な枠組みを受け入れれば、収入はやや増える公算が大きく、課税のゆがみを是正できると強調した。

一方、共和党のケビン・ハーン下院議員は、合同租税委員会の試算を引用し、グローバルミニマム課税導入による米国の潜在的な歳入損失は不利なシナリオの場合で最大1220億ドルに上るとし、共和党は導入に同意しないと述べた。

イエレン氏によれば、もし議会がミニマム課税を導入し、中国が導入しなかった場合、米国で活動する中国企業から税金を徴収することができる。ただ、米国が導入せず、他国が導入した場合は逆のことが起こり得る。