Siddharth Cavale

[30日 ロイター] - 米小売業大手ウォルマートは30日、医療サービスを提供する国内51カ所のヘルスケアセンター全てを閉鎖し、オンライン診療事業も停止すると発表した。医療事業は経営コストがかさみ、収益性が欠如する環境となっており、現時点で持続不可能だと判断した。

今回のウォルマートの決定は、2024年までに全米でこれらのヘルスケアセンターをほぼ倍増させるとの昨年の計画から180度の方針転換となる。

同社広報担当は、ヘルスケアセンターは今後30─90日以内に閉鎖する公算が大きく、全ての従業員にウォルマートないし系列の会員制スーパー、サムズ・クラブの店舗に異動できる選択肢を提供すると説明した。

診療所の売上高や閉鎖に伴う損失額の見通しについては公表を控えた。

今後は眼鏡やコンタクトレンズを扱うビジョン・センター3000カ所と店舗内に構える薬局4600カ所に重点を置く。

ウォルマートのほか、大手薬局チェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスやCVSヘルス、アマゾン・ドット・コムなどもここ5年、非常に細分化された米国のシステムに機会を見出し、医療サービス分野に進出したが、消費者が小売業者からそうしたサービスを求めているのか、あるいは採算が合うのかどうかは明らかではない。