Fanny Potkin

[シンガポール 24日 ロイター] - 関係筋によると、米半導体大手エヌビディアは中国市場向けに開発した最先端の人工知能(AI)チップで値下げを強いられている。

米国の対中制裁による影響や競争激化に直面する中、価格低下はエヌビディアの中国事業の課題を浮き彫りにしている。

同社は米政府の対中輸出規制強化を受け、昨年終盤に中国市場に特化した3種類のチップを発表した。

このうち最も性能が高い「H20」が特に注目されたが、複数のサプライチェーン(供給網)関係者がロイターに語ったところによると、供給が潤沢で需要の弱さがうかがえるという。

そのため、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最先端AIチップ「アセンド910B」を10%以上下回る価格で販売されるケースもある。

中国当局が国内企業に自国製チップを購入するよう指示していることもH20の成功を阻む要因となっている。

調査会社セミアナリシスの創設者、ディラン・パテル氏は、今年後半には100万個近いH20チップが中国に出荷されるとし、エヌビディアは価格面でファーウェイと競争しなければならないと述べた。