(英文の訂正により、最後から2段落目の国名で「オーストラリア」を「オーストリア」に訂正します)

Bernard Orr Ethan Wang

[北京 7日 ロイター] - 中国の王毅外相は、北京で開かれている全国人民代表大会(全人代)に合わせて記者会見し、米国は中国に対する誤った認識を持ち続けていると述べた。バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が昨年11月に会談して以来、両国関係に一定の前進はあったが、米国はまだ約束を履行していないと主張した。

両国間のやり取りは相違点を尊重し認識することでのみ継続が可能とも指摘した。

「米国が中国に対する誤った認識を持ち続け、約束を実行していないと指摘しなければならない」と強調。「米側は中国を抑圧する新たな方法を打ち出し続けており、一方的な制裁のリストが常に延長されている」と不満を表明した。

米国の主張では中国が犯した「罪」が「信じ難い水準」にまで増えていると述べた。

それでも、バイデン大統領は新たな冷戦や中国の体制転換を望まず、台湾の独立を支持しないと明確にしているとの認識も示した。

米中首脳会談以降、両国間の緊張はやや緩和したものの、不安定な状態が続いている。今秋の米大統領選では、対中強硬姿勢を示すトランプ前大統領が返り咲く可能性もある。

王氏は「米国には歴史的な発展の傾向を理解し、中国の発展を客観的かつ理性的に捉え、積極的かつ実利的に中国とやり取りを行うよう求める」とした。

ロシアとの関係については、新たな協力や友好促進に前向きな姿勢を示した。ロシアのプーチン大統領が2022年2月に中国を訪問した際、両国は「無制限の」パートナーシップを宣言。その後間もなくロシアはウクライナに侵攻した。

会見では、ウクライナの紛争や中国経済、人工知能(AI)など幅広いトピックに触れたが、全般に抑え気味の発言が目立った。

王氏は査証(ビザ)免除制度の対象拡大も発表し、新たにスイス、アイルランド、ハンガリー、オーストリア(訂正)、ベルギー、ルクセンブルクを14日から加えるとした。

中国は現在、計22カ国とビザを相互に免除している。