[チューリッヒ 19日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は19日に発表した年報で、クレディ・スイスの破綻とUBSによる救済買収を受け、資本規制について一段の対策を講じる必要があるとの見解を示した。

スイスは流動性規制を通じて銀行の資金調達を「大幅に強化」すべきと指摘。「特に早期介入、資本・流動性要件、破綻処理計画に関して行動が必要」と訴えた。

また銀行に対し、スイス中銀や外国の中銀から緊急流動性支援を受けるための担保を増やすよう求めた。

スイス中銀は資本規制に関する2つの分野での対策の必要性を強調した。

AT1債(その他ティア1債)について、クレディ・スイス破綻の過程で同債券を活用する機会がなかったと指摘。買い戻しや利払いを適時に停止し、AT1債をより早い段階で普通株等自己資本(CET1)に転換することで特性を生かすことを目指すべきとした。

もう一つの問題はクレディ・スイスのCET1の質が十分ではなかったため発生した。

「銀行の資本が危機的な状況でも本来の価値を維持できるように、資本に含まれる資産の評価と親会社の出資に対する規制上の取り扱いを調整する必要がある」との認識を示した。