Catarina Demony

[25日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は、「奴隷及び大西洋間奴隷貿易犠牲者追悼国連デー」に当たる25日に発表した声明で、過去の奴隷貿易に対する補償の必要性を改めて訴えた。

15世紀から19世紀にかけて、アフリカ大陸から少なくとも1250万人が欧州の商人などによって誘拐、もしくは移動を強制されて奴隷として売られ、劣悪な航海を乗り切った人々はブラジルやカリブ海諸国の大農場で重労働を強いられるなどの苦痛を味わった。

グテレス氏は、こうした過去の出来事が「白人優越思想に基づいた暴力的な差別のシステムの土台を築いた」と指摘。何世代にもわたる排除と差別の克服を後押しするため、補償に向けた公正な枠組みを求めると述べた。

昨年9月に公表された国連の報告書でも、関係諸国が奴隷制度に対する金銭的な補償を検討すべきだと提言されている。