[ベルリン/シドニー 27日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は、オーストラリアが中国産の鉄鋼製品に課している関税には欠陥があると認定した。豪政府はWTOの判断を受け入れる考えを示した。

オーストラリアは中国製の風力発電用タワーに10.9%、鉄道車輪に17.4%、ステンレス製流し台に最大60.2%の反ダンピング(不当廉売)・反補助金関税を課している。これに対し中国は2021年6月にWTOに提訴していた。

WTOは3品目全てにおいて豪反ダンピング委員会(ADC)が規則に矛盾する行為を取ったと結論付けた。

ファレル豪貿易相は、関税の計算方法に関して複数の技術的な問題をパネルが指摘したとする声明を発表した。「オーストラリアは中国と協力し、パネルの調査結果を実施するための措置を講じる」と表明した。

中国はWTOの判断が客観的で公正かつ明確なものだとし、オーストラリアに対し関税を撤廃することで「違反」を是正するよう求めた。