[ロンドン 24日 ロイター] - ロシア経済発展省が経済の最も悲観的な場合を想定したストレスシナリオによると、2025年の国内総生産(GDP)と実質所得のそれぞれの成長がほぼ停止すると試算されている。その場合、通貨ルーブルは現在の1ドル=約93ルーブルから107ルーブル程度に下落するという。ロイターが入手した文書で分かった。

レシェトニコフ経済発展相が23日発表した最も楽観的な基本シナリオでは24年のGDP伸び率予想は2.8%と従来から上方修正され、より明るい見通しを示した。

ただ、ストレスシナリオと保守的シナリオ、基本シナリオの3種類の可能性のうち、基本シナリオでもインフレ見通しが悪化し、ルーブルは下落すると予想している。

レシェトニコフ氏は、世界経済の減速、制裁圧力の継続、ロシアの労働市場に対する制限のリスクがあると指摘。そうしたリスクは3種類のうち真ん中の水準である保守的シナリオの予測に織り込まれていると説明した。

保守的シナリオとストレスシナリオではロシアの石油・ガス生産量と輸出量の減少を想定した。

石油・ガスやその他のコモディティー(商品)の輸出価格がストレスシナリオで予想される程度に下がった場合、GDPの伸び率は24年に1.5%、25年に0.2%にそれぞれ減速すると試算。一方、基本シナリオのGDP成長率は24年に2.8%、25年に2.3%を見込んだ。

経済発展省は、最も悲観的なストレスシナリオについてはコメントを控えた。