[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア統計局が30日発表した3月の小売売上高は前月比0.4%減の356億6000万豪ドル(233億7000万米ドル)と、アナリスト予想(0.2%増)に反してマイナスとなった。

生活費の高騰を背景に消費者が支出を控えた。2月改定値は0.2%増だった。

豪ドルは指標発表を受けて0.2%安の0.6551米ドル。3年債先物はそれまでの上昇幅を拡大し、6ティック高の95.96。市場では9月までの利上げ確率が発表前の44%から33%に低下した。

3月は前年比では0.8%増。伸び率は2021年8月以来最も小さかった。

統計局によると、小売売上高は過去6カ月間、基調的に横ばいとなっており、パンデミック(コロナ大流行)期とGST(物品サービス税)導入期を除けば前年同期比の伸びは過去最低という。

3月は衣料品・フットウエア・パーソナルアクセサリー小売業と百貨店で落ち込みが最も大きかった。

豪準備銀行(RBA)は5月7日に理事会を開催する。エコノミストは利上げの選択肢が討議されると予想している。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の市場経済担当責任者、タパス・ストリックランド氏は、消費低迷はほぼ予想の範囲内だったが、RBAはインフレの粘着性と労働市場の進展の遅れを懸念するだろうと指摘。

「活動の伸びがトレンドを下回っており、5月の利上げはないと考えているが、利上げのリスクはある。ただ、現段階でそのリスクが特に高いとは思わない」と述べた。