[ジュネーブ 30日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のグローバル・インフルエンザ・プログラムの責任者、張文青氏は30日、多くの野鳥に存在する高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が、渡り鳥の移動に伴って米国外の牛に感染する危険性があるとの認識を示した。

米国では3月下旬以降に9州の34の乳牛群からH5N1が確認されたことを受け、当局が牛乳と食肉の安全性を検証している。

こうした中で張氏は「H5N1ウイルスは渡り鳥によって世界中に運ばれており、他国の牛に感染する恐れがある」と述べた。

このウイルスは米国の野鳥の間でまん延しており、家禽や野良猫にも感染することがあるが、これまで牛への感染はまれだった。

張氏はこれまで通り、このウイルスによる公衆衛生上のリスクは全体的に低いと考えていると繰り返したが、特に農場労働者に対して警戒を促した。

また牛乳を介して感染することはないと考えられているものの、WHOが長年勧めているように殺菌された牛乳のみを飲むよう改めて忠告した。