[チューリヒ 26日 ロイター] - スイス政府は26日、9月末に退任するスイス国立銀行(中央銀行)ジョルダン総裁の後任として、シュレーゲル副総裁が昇格すると発表した。

シュレーゲル氏は2004年に中銀でキャリアをスタートし、22年8月に副総裁に就任した。ジョルダン現総裁の任期が満了する27年まで総裁を務める。 

シュレーゲル氏は総裁就任発表の記者会見で、物価安定に取り組む姿勢を改めて表明。「中銀は物価が安定し、高いインフレもデフレも起こらないよう努めている」とし、「物価安定は国全体の利益となり、企業に確実性をもたらし、世帯や国民を購買力の低下から守る」と述べた。

ピクテのエコノミスト、ニコライ・マルコフ氏は、シュレーゲル氏の総裁就任について「スイス中銀による典型的かつ安全な選択であり、広く予想されていた」と指摘。ジョルダン総裁もシュレーゲル氏を自身の後任に推していたとし、「これは金融政策の設計やコミュニケーションに大きな変化がなく、これまでと同じ統治が行われることを意味する」とした。

シュレーゲル副総裁の後任には元ニューヨーク連銀幹部で理事会メンバーのアントワーヌ・マーティン氏が就任する。また22年8月から拡大理事会メンバーのペトラ・チュディン氏が理事会メンバーに加わる。