5月30日、熊本の阿蘇くまもと空港に小型ジェット機が降り立ちました。俳優のトム・クルーズが購入し、自ら操縦していることでも話題になった『ホンダジェット』です。今回は中にセレブが乗っている…訳ではなく、ある「ビジネス」のため、駐機場にやってきました。

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『ホンダジェット』とは

“空飛ぶスポーツカー”の別名を持つホンダジェット。機体の全長は約13メートル、両翼の上にエンジンを搭載しているのが大きな特徴です。

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この機体を所有する航空会社の整備責任者、松永隆一さんに、他のジェット機との違いを尋ねました。

オンリーユーエア 整備責任者 松永隆一さん
「このクラスの飛行機は通常、エンジンは胴体の横についていますが、翼の上にあることによって貨物室が広く確保できる。また、翼にある燃料タンクから効率よくエンジンに供給できます」

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トム・クルーズも注目したホンダジェットで行うビジネスとは、一体どんなもなのでしょうか?

小型ジェット機で時短旅行

この航空会社が今年4月から始めたのは、日本初となるホンダジェットを使った「旅客運送事業」です。利用には事前予約が必要で、熊本空港からは6月現在、8つの路線が就航していています。

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■羽田空港
■成田国際空港
■大阪国際空港(伊丹空港)
■中部国際空港セントレア
■名古屋空港(小牧)
■富士山静岡空港
■天草空港
■那覇空港

一方で、就航先以外へのフライトも歓迎。地方間の移動需要を狙い、熊本と全国各地の空港を結びます。給油無しで移動できる最長距離は「熊本−青森(直線距離約1250㎞)」だということです。

搭乗までの道のりは究極の時短。空港に到着したら保安検査場を通ることなく車に乗り込み、駐機場にある機体のすぐそばへ。

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金属探知機でチェックを受ければ歩いて数秒で搭乗できる“どこでもドア”のような仕組みです。

機内の様子は

中に入れば左側に操縦席、右側に高さ約140センチメートルの客室が広がります。乗客の定員は最大6人で、運搬用のケースに入る小型犬や猫も搭乗可能です。

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客室の壁面に収納されたテーブルを広げることもできます。そして気になる利用料金は…東京(成田)−熊本の日帰り往復で約300万円。

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オンリーユーエア 安嶋新 社長「熊本は九州観光の中心で、最近は半導体産業も盛り上がっている。大切な記念日の旅行や、重要なビジネスといったシーンに利用してほしい」

人生のここぞ!という日の大舞台にも、選択肢の一つとして「小型ジェット機」を覚えておいてはいかがでしょうか。