世界中で愛されている「チョコレート」。その起源が中南米であることをご存じでしょうか!?
勝手にアフリカのガーナだと思ってました…。

そのチョコレートの起源に迫る特別展が先月(4月)27日から岡山県備前市の美術館で開かれています。

特別展が開かれているのは、岡山県備前市日生町(ひなせちょう)のBIZEN中南米美術館です。

「レプリカなんですけれども、5年前にエクアドルで見つかった『世界最古のチョコレート容器』です」

(坂井亮太キャスター)
「世界最古!?」

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「はい。チョコレートというのは、古代中南米生まれなんですが、5000年以上前のチョコレート容器が見つかった。そのことによってエクアドルがチョコレート文化の故郷だったということが分かったんです」

RSK

会場には、メキシコやエクアドルなどで出土したアンデス文明やマヤ文明のチョコレートにまつわる貴重な土器や土偶など約300点が展示されています。

(坂井亮太キャスター)
「甘くとろけるような味わいから世界中の人々に愛されているチョコレート。ただ古代では、チョコレートは人々の嗜好品ではなく、王族たちだけが飲む貴重なものだったんです。さてここでクエスチョンです。古代の王族たちは、なぜチョコレートを飲んでいたんでしょうか」

その真相を教えてくれるのは、館長の森下さんです。中南米地域の魅力や歴史を伝えたいとこの特別展を企画しました。

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「カカオは『薬』という事で飲まれていたんです」

(坂井亮太キャスター)
「薬??」

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「チョコレートというのはドリンクチョコレートという『薬』で、マヤ文明の時代にはもう薬の効果がね、もう絞り込まれまして、『長生きの薬』だったんです」

RSK

(坂井亮太キャスター)
「長生き!?チョコレートがですか?」

当時、一般的な平均寿命が20歳〜30歳だったのに対し、チョコレートを飲むことができる王族は60歳〜90歳まで生きたといいます。

RSK

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「ポリフェノールがいっぱいですから、歳をとらないと。しかもお砂糖を一切入れませんのでノンシュガーのハイカカオドリンクを浴びるように、毎日毎日20〜30杯飲んでいったんです」

この美術館の大きな魅力の1つは館長の森下さん自らがガイドをすること。とにかく来館者を楽しませるのがモットーです。

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「この円筒形の物は、マヤ文明では『チョコレートカップ』。チョコレートはマヤ文明だけでなくアステカ文明とかにもあったんですけど、マヤ文明が桁違いに消費していたと。装飾は古代マヤで有名な神様『カウィール』と言いまして「王家の守護神』、80ほどあった王国のうちのどこかの国の王様の持ち物です。王様の守り神が描かれているという事なんです」

(坂井亮太キャスター)
「話されている時、笑顔で話が止まらないですね」

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「解読された歴史を一緒に楽しむ方が絶対面白いですから、話をするんです」

RSK

「チョコレートの王国エピソード2」は9月末まで開かれています。

(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「チョコレートの歴史をお伝えしているんですが、それだけではない魅力が満載なんですよね。中南米地域の歴史には。チョコレートをきっかけにそういったことを知っていただけたら」

今年夏ごろには、アメリカの大学を招き考古学研究を行う予定だそうです。世界的にも珍しい収蔵品が集まっている国内で唯一の中南米専門の美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
特別展は原則、前日までの電話予約が必要です。電話番号:0120ー346ー287