県かりゆし長寿大学校の32期生の入学式が16日に開かれ、初の親子入学となる母・新垣智恵子さん(94)と娘・真理さん(70)=那覇市=が参加した。これまでの入学生で最高齢となった智恵子さんは、代表であいさつに立ち「戸籍年齢にこだわらず、老いを恐れず、年だからと諦めない明るい心で学びたい」と力強く話し、会場からは大きな拍手が響いた。

 智恵子さんは1929年生まれ。あいさつでは国が戦争へ突き進んだ時代を生きたことに触れ「戦争に翻弄(ほんろう)されてきた」と振り返った。戦時中、県内の学校で学んでいたが、戦争の影響で学業を中断せざるを得なくなった。

 学ぶ意欲は人一倍強く、これまでおもろや短歌、書道、絵画、お茶など、さまざまな分野の講座を受けてきた。真理さんは「母は学び好き」と舌を巻く。数えで95歳を迎えた昨年でいったん区切りをつけ、新たに長寿大学校への挑戦を決めた。

 大きな病気をせず、薬の服用もないという智恵子さん。毎朝4時半には起き、1〜2時間のウオーキングをするのが日課だ。

 真理さんも親譲りのチャレンジ精神を持つ。過去のNAHAマラソンでは表彰台に上ったことがある実力者。今年はマラソンの大会出場を目指している。

 長寿大学校で2人は社会福祉を学ぶ。智恵子さんは「親子で学べるのは幸せ。福祉を勉強して少しでも世の中の役に立てたらと思う」と話し、真理さんは「母についていけるように頑張りたい」と意気込んだ。

 (中村優希)