【名護】名護市屋部の名護市食鳥処理施設で5月6日、2600羽分の鶏肉を処理する工程で本来使用する次亜塩素酸ナトリウムではなく、食品用洗剤を誤って使い、水などで洗浄した後に流通させ県の指導を受けていたことが13日までに分かった。市から施設の指定管理を受けている県食鳥処理協業組合(具志堅茂理事長)によると、現時点で健康被害の報告はない。県環境科学センターの食品検査でも洗剤の残留成分は検出されなかった。

 県は国際的な衛生管理基準HACCP(ハサップ)の手順を逸脱したとして、不適切な処理をした食肉が流通しないよう必要な措置を講じるように5月21日に口頭で、6月7日に文書で指導した。

 同組合によると、鶏肉を10トンタンクで冷却洗浄する工程で食品用洗剤5リットルを誤って投入した。10分ほどで気づき、鶏肉を冷蔵保管。その後、鶏肉を流水で手洗いした。

 この食品用洗剤は通常、400倍に希釈して使うもの。誤投入の際は2千倍に希釈していた。洗剤の安全性が高いことなどから、具志堅理事長が安全と判断し、本島内や県外に出荷した。

 同組合は県外出荷分について、返品手続きを進めている。県内分は販売済みだった。具志堅理事長は「消費者の皆さまにご心配をおかけして申し訳ない。今後事故が起こらないよう再発防止に取り組む。安心安全が大前提だ」と述べた。
 (武井悠、宮沢之祐)