完成したうれしの茶のクラフトビール

 嬉野市と全国の信用金庫が連携して開発していた「うれしの茶」のクラフトビールが完成した。特有のうま味と甘みを生かしながら、さわやかな香りを引き立たせたビールに仕上げた。昨年の全国茶品評会で11年ぶりに4冠に輝くなど、評価が高まるうれしの茶の新たな魅力をアピールする。

 商品名は「うれしの茶エール」(税込み880円、330ミリリットル)。製造を担った東京都の「大鵬」の担当者によると、醸造過程で高温の時に茶を加えると渋みが出てしまうといい、70度ほどに下がるの待って茶を投入することで、香りを失うことなくうま味や甘みを引き出した。

 完成披露の催しが21日、東京・羽田空港の羽田イノベーションシティであり、村上大祐嬉野市長は「おいしいお茶を飲んだ時のうま味、甘み、香り、全てがそろっている。ここまでうれしの茶らしい味を出してもらえるとは」と出来栄えに感動した様子だった。

 九州ひぜん信用金庫の石橋正広理事長は「信用金庫のネットワークを生かし、羽田の地から全国に発信したい」と強調した。当面は羽田イノベーションシティのビール工場が併設された飲食店「羽田スカイブルーイング」で取り扱う。地元旅館などからも引き合いがあり、販路拡大に向けて協議を進めるという。

 クラフトビールの製造は嬉野市と全国の信金が参加する「よい仕事おこしフェア実行委員会」が昨年10月に結んだ連携協定に基づく取り組み。22日には羽田イノベーションシティで嬉野市などの特産品の販売会と、首都圏バイヤーとの商談会もあった。(大橋諒)