廃油缶を使ったチェア。座面の木材にはレーザー加工で自由にデザインすることができる

 上峰町の松田木工(松田直樹社長)が建具の技術を生かしたアウトドア用品など新たな製品を作っている。住居様式の変化や既製品の流通で減少傾向にある建具需要。高度な技術を持つ職人の技を生かした組み立て式のテーブルや廃オイル缶を使ったチェアなど、丁寧な作業で作られた温かみある商品を開発した。松田社長は「環境保全への意識の高い企業などにも売り込み、新たな需要を開拓したい」と意気込む。

 県の補助金を活用した。デザイナーの関光信也さん=鳥栖市=と連携し、木を使ったアウトドアグッズを製作。県産木材を使った組み立て式の丸テーブルや、ワインを入れることができる木箱、包丁立ては、釘を使わず、木材を組み合わせて製作した。自宅の庭でのバーベキューにも役立ちそう。

 潤滑油や塗料の貯蔵に使われるバケツ型の廃オイル缶を使った椅子も制作した。昭和車体工業(佐賀市諸富町)が外側の塗装を担い、松田木工が座面部分になる木材を手がける。木材の表面にはレーザー加工で自由に文字や絵などを入れることができる。

 松田社長は「建具職人の高い技術をこのままにせず、さまざまな製品で生かしたい」と意欲を見せている。(福本真理)