小佐々良徹理事長(中央)と小佐々太郎施設長(左)に寄付金を渡す村岡智彦さん=嬉野市塩田町の済昭園

 子どもたちに命の大切さを伝える活動を続けている村岡智彦さん(80)=佐賀市=が、嬉野市塩田町の児童養護施設「済昭園」(小佐々良徹理事長)を訪れ、自身の著書『母の背に』(佐賀新聞社刊)の売り上げの一部20万円を寄付した。

 元小学校校長の村岡さんは教育や地域でのボランティア活動に従事し、県内の学校を回って「命の教育」の授業を続けている。

 村岡さんは、今年1月に嬉野市内の小学校で授業をした際、同施設で暮らす児童が「小さいときから母と会っていないが、母からいただいた時間と命に感謝している」と感想文を寄せたことを紹介。「児童の言葉に感動した。文具などの購入費に充てて」と、小佐々理事長に寄付金を手渡した。

 2023年8月に出版した『母の背に』は、「お世話になった人に感謝して生きなさい」と諭した母の思い出や自身の半生などをつづったノンフィクション。村岡さんは「これからの命の授業では、今回の感想文のエピソードも紹介したい」と話した。(市原康史)