被災地でのボランティア活動の現状などを話した公門寛稀さん(奥)=佐賀市の佐賀女子短大

 佐賀市の佐賀女子短大で22日、災害時のボランティアについて理解を深める講義があった。1年生から防災について学ぶ2年生30人が、被災者のニーズが多様化し、ボランティア活動の幅が広がっている現状を学び、自分たちにできるボランティアは何かを考えた。

 3月まで大町町地域おこし協力隊の災害支援担当として活動した「Public Gate」代表の公門寛稀さん(34)を講師に迎えた。公門さんは近年の大規模災害の様子を、動画や写真を使って紹介した。家屋の清掃や炊き出しだけでなく、洗濯代行や憩いの場の運営などボランティア活動は多岐にわたっていると説明し、「皆さんの得意なことをボランティアに生かせる可能性は十分ある」と積極的に参加するよう呼びかけた。

 受講生は得意なことをメモに書き出し、「弁当の準備やごみの回収はできる」「折り紙を使ったレクリエーションを企画したい」などと発表し合った。2019年の佐賀豪雨と21年の記録的な大雨で被災した大町町の岸川優花さん(19)は「ボランティアの皆さんにすごく助けてもらった。他の地域で災害が起こったら、自分のできることをやりたい」と意欲的だった。

 学生たちは本年度、能登半島地震の被災地でボランティアに取り組んだ教員の話を聞いたり、被災者向けのハンドトリートメント研修を受けたりと、実践的な講義を受けている。夏休みには被災地での炊き出しボランティアなどに参加する予定。(中島野愛)