県産種雄牛に認定された「美津秀吉」号(県畜産試験場提供)

 優れた産肉能力を持つとして佐賀県産種雄牛に「美津秀吉(みつひでよし)」号が新たに選ばれた。美津秀吉の去勢産子は、脂肪交雑(BMS)などでこれまでの県産種雄牛13頭と比べて歴代最高を記録しており、霜降りの入りが良い肉牛の生産に期待が高まる。

 美津秀吉の父は枝肉成績のよい産子が多い美津照重(てるしげ)で、母の父は増体に優れる勝忠平(かつただひら)。県産種雄牛の認定は14頭目となる。

 美津秀吉の産子28頭を肥育して検定したところ、去勢産子はロース芯面積、歩留まり、BMSで県産種雄牛で歴代最高だった。特に、BMSは10・6で県産の肥育素牛(去勢)の平均8・9に比べて高かった。雌産子は枝肉重量とBMSで県平均を上回った。

 美津秀吉の精子を採取・凍結して人工授精に使い、良質な子牛を生産し肥育農家に提供する。佐賀県畜産課によると、穏やかな性格で病気に強く、産子の飼いやすさが期待できるため、既に精液の注文が相次いでいるという。

 県産種雄牛の認定は、佐賀牛の生産基盤強化などを目的に県や関係団体でつくる県和牛改良検討会が行っている。(古賀真理子)