10月に県内で開かれる国民スポーツ大会(国スポ)の総合開会式まで100日、100年ぶり3度目となる「パリ五輪」まで30日を切った。国スポはコロナの影響で当初より1年遅れでの開催。でも、そのおかげでパリ五輪に出場した「オリンピアン」が佐賀で間近に見られるかもしれない◆その雄姿を期待できるのは柔道のウルフ・アロン選手だ。東京五輪で金メダルを獲得し、パリ五輪で連覇に挑む重量級のエースが佐賀県選手団の一員として出場する。多くの県民に勇気と感動を与えてくれるだろう◆期待がかかるのはオリンピアンだけではない。わが社にも記者職の傍ら鍛錬を重ね、先日の全日本ローイング選手権で優勝したアスリートがいる。同僚として誇りに思う◆「夢は全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にある」は好きな言葉の一つ。日本一の座に挑戦できる位置にいる、頑張れる環境にあることはうらやましくもある。そのことへの感謝の思いが全力を生み、同じ喜びと感動を人に与えるのだと思う◆勝負の世界では努力が必ず報われるとは限らないものの、スポーツは壁が高いほど勝利を目指す過程が楽しい。国スポの開幕まであと96日。短いと思うか長いと感じるかはその人次第だろう。いずれにしても、感謝を忘れずにいい「準備」を。1ミリ先に手が届く日がきっと訪れる。(義)