松江城に近い松江市殿町に建設される高層マンション(高さ57メートル、19階建て)に関し、事業主体の不動産会社が、外壁の色をグレーに変更することを決めた。景観審議会の答申を踏まえて判断したという。高さは変更せず、2026年11月下旬の完成を目指して着工した。

 市から色の変更を検討するよう依頼を受けた事業主体の京阪電鉄不動産(大阪市)が、4月までに変更の届け出を提出した。

 同社が濃い茶色としていた外壁の色を巡り、景観審議会では委員から「町全体を考慮して色調を再検討してほしい」「周辺に合わせてグレー系やモノトーンで仕上げてはどうか」との意見が出ていた。昨年11月の上定昭仁市長への答申には外壁の色を周辺の景観に合わせて再検討する必要性があると盛り込んだ。

 同社の担当者は取材に対し、「市からの依頼と周辺建築物の色彩を考慮して変更を決めた」と話した。高さは「法律にのっとって許可を得た現在の計画通りに進める」として見直さない考えを示した。

 施工業者によると、着工は2月上旬を予定していたが、準備工事や書類手続きの遅れに伴って3月末から基礎工事を開始した。現在は地盤を補強する杭を打つための掘削作業中という。