鳥取砂丘砂の美術館(鳥取市福部町湯山)の第15期展示「砂で世界旅行・フランス編」が19日、開幕した。今夏のパリ五輪・パラリンピックにちなみ、フランスをテーマに選んだ。米国、オランダなど12カ国の砂像作家20人が計約3千トンの砂を使い作品を仕上げた。

 目を引く作品は幅22メートル、高さ5メートルの「ベルサイユ宮殿」。緻密に造形し、絵画の遠近法を応用して広大な宮殿を表している。「ノートルダム大聖堂(パリ)」も高さ5メートル超の大作。建物裏側に何本も延びる梁(はり)は、崩れないように造形した技術の高さが伝わる。

 文豪ビクトル・ユゴーの名作にちなむ「フランス文学−レ・ミゼラブル」は、主人公ジャン・バルジャンとヒロインのコゼットの出会いなどを再現。画家ドラクロワの名作にちなむ「フランス美術−民衆を導く自由の女神」は立体ならではの迫力があふれる。

 前日の内覧会では、関係者約100人が激動の歴史や華やかな芸術文化を再現した砂像18点に見入った。

 2025年1月5日まで。午前9時〜午後6時。会期中無休。入館料は一般800円、小・中学、高校生400円。