400年の歴史があり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される佐陀神能の特別公開が18日夜、島根県松江市鹿島町の佐太神社であった。月明かりの下で3演目を披露し、約100人が伝統の神事舞に見入った。

 松江観光協会が主催し佐陀神能の保存会が上演。七座神事・八乙女(やおとめ)では巫女(みこ)2人が鈴と手柴を手にして舞い、神能・惠比須(えびす)では新調した衣装で、事代主命(ことしろぬしのみこと)が魚を釣る姿を演じた。

 出雲神話の「国譲り」を題材にした演目・武甕槌(たけみかづち)で最後を飾り、建御名方命(たけみなかたのみこと)と武甕槌神との激しい戦いが、暗く神秘的な舞台上で描かれた。見学した万九千神社(出雲市斐川町併川)の錦田剛志宮司は「非常に美しい舞で感動した。神楽の原点を見た気持ちになった」と話した。

 7月13日と9月14日も公開する。