ダイキン工業が27日に開いた定時株主総会で可決された、会長を退任する井上礼之(のりゆき)氏に「特別功績金」として43億円を支払う議案の賛成割合が68・52%だったことが分かった。ダイキンが財務省関東財務局に提出した臨時報告書で明らかにした。

井上氏は社長就任以降、30年にわたって経営に携わり、M&A(企業の合併・買収)によって海外事業を拡大して売上高を約12倍に引き上げた。ダイキンはこうした井上氏の功績を受けて、社外取締役で構成される特別功績金検討委員会による審議を経て、功績金の支給を決めた。

ある関係者は「功績金が支払われるのは井上氏が最初で最後だろう」と話しており、大きすぎる功績に対し、異例の対応が取られたことが分かる。

27日の株主総会では株主から功績金への反対意見は出ず、「少なすぎるぐらいだ」との声も上がったが、多額の功績金に否定的な株主も一定数いたとみられる。

議決権ベースで、賛成が171万5430、反対が78万4463、棄権が97だった。