昨年3月にテレビ東京が放送した「激録・警察密着24時!」の番組中、不適切な表現があったとして放送倫理・番組向上機構(BPO)が審理入りを決めた問題で、テレ東の石川一郎社長は27日の定例記者会見で「聞き取り調査も予定されているので、誠意をもって対応したい」と述べた。番組制作に携わる社内外の関係者に向け、事実確認の徹底を求める研修を実施したことも明らかにした。

放送で取り上げたのは、アニメ「鬼滅の刃」を連想させる商品に絡む不正競争防止法違反事件。逮捕場面などを放送された会社役員らが、番組は逮捕された4人のうち3人が不起訴になった事実に言及せず、過度なナレーションで4人の名誉を著しく傷つけたなどとして申し立てていた。テレ東は番組の制作中止を決め、すでに担当者らの懲戒処分を発表している。

また、番組内で警察署長の訓示の場面を「摘発の日」と表示して放送したが、実際には前日に撮影していたことも明らかにした。テレ東によると、署長の訓示は摘発前日の午前10時ごろにあり、その後警察車両が出発し同日夕方に現地に到着。摘発が日付をまわった翌日になったという。撮影クルーは全てに同行していたといい、長田隆専務は「一部スタッフは把握していたが、全体に共有されないミスだった」と釈明した。