【ブラジリア=田中一世】岸田文雄首相は3日午前(日本時間同日夜)、ブラジルの首都ブラジリアでルラ大統領と会談。ハイブリッド車など日本の環境技術とブラジルが生産するバイオエタノールなどを組み合わせた技術開発で両国が協力する枠組みを立ち上げる。ルラ氏は11月の20カ国・地域(G20)首脳会議で議長を務める。首相は「『法の支配』に基づく自由で開かれた国際秩序」の維持、強化に共に取り組む意向を伝え、連携を確認する。

首相は、来年の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)がブラジルで開催されることを踏まえ、脱炭素分野での協力姿勢を示す。両国の包括的な協力枠組み「グリーン・パートナーシップ・イニシアティブ」を発足。大量の二酸化炭素を吸収するブラジル・アマゾン地域の熱帯雨林保護の支援強化を打ち出す。

また、ブラジルなど南米4カ国で始まった関税同盟「メルコスール」との経済関係を重視する日本の立場も伝える。日本の首相のブラジル訪問は2014年の安倍晋三首相以来。