巨人2−1ヤクルト(10日)

好調のヤクルト打線の前に、巨人の戸郷が立ちはだかった。7回を投げ、許した安打は四回に長岡に浴びた左前打のみ。前回の3連戦で計17失点と打ち込まれた強力打線を封じ、「前回は3連敗してしまった。なんとか勝ち切ろうと頑張りました」と息をついた。

難所は二回だった。2死から2連続四球で一、二塁とされ、続く武岡にも3ボールと制球が崩れかけた。直球で二飛に打ち取りベンチに戻ると、阿部監督から声を掛けられた。

「100%を求めすぎるな。悪い球がいっているときに、すぐ切り替えられるように」。前回3日の阪神戦は、2四球を出した六回に途中降板していた。同じ轍(てつ)は踏まなかった。「一つ、一つしっかりとした球を投げよう」と150キロ前後の直球を軸に、勝負どころのフォークとスライダーでアウトを積み重ねた。

1−0の七回には、女房役の小林の3年ぶりの一発も飛び出し、チームは3連勝。混戦のセ・リーグで上位につける。「毎回、野手の皆さんには助けられてばっかり。次も勝てるようにやっていきたい」とエースは先を見据えた。

(川峯千尋)