1日に発表された大相撲名古屋場所(14日初日)の番付で、24歳の平戸海が新小結に昇進した。

「ひたすら稽古、上を目指した」

中学を卒業してすぐ境川部屋に飛び込んだ〝たたき上げ〟が、約8年半で三役の座をつかんだ。

入門当初、15歳だった平戸海にとって、豪栄道や妙義龍ら部屋の先輩たちは雲の上の存在だった。「力が違いすぎて(自分が三役に昇進するのは)厳しいかなと諦めそうだったけど、ひたすら稽古して上を目指してきた。一つの夢でもあったので、うれしいです」。朴訥な語り口の中で、何度か繰り返した「稽古」という単語に自負がにじんだ。

出身地である長崎県平戸市の関係者からたくさん祝福の連絡を受け、昇進を実感できたという。「入った時から地元の方たちは応援してくれた。早く上がって喜ばせたいと思って頑張った」と、故郷とのつながりを強く意識している。

平戸海は4月に24歳になったばかり。先場所は、同学年の大の里の初優勝に「自分ももっと頑張らなきゃという気持ちにさせてもらった。ありがたい」と大いに刺激を受けた。

身長178センチと上背はないものの、前に出る力は増しつつある。獲得したことのない三賞、一つ上の関脇、そして優勝−。目指すべきものは、まだ先にある。(宝田将志)