【台北=西見由章】台湾の立法院(国会に相当)は21日、野党主導で可決したものの行政院(内閣)が再審議を求めていた立法院の権限を強化する関連法案について、賛成多数で再可決した。立法院で過半数を占める野党側は、権限強化により頼清徳総統が率いる民主進歩党政権への追及を強めたい考え。一方、与党側は、関連法は憲法違反だとして憲法訴訟(違憲審査)を求める構えで、与野党の攻防は長期化しそうだ。

最大野党・中国国民党と第2野党・台湾民衆党が推進した関連法は、総統の年1回の情勢報告や答弁を義務化し、当局や企業などへの立法院の調査権限も拡大する内容。立法院職権行使法と刑法を改正する。

憲法訴訟は行政院か総数の4分の1以上の立法委員が、司法院大法官で構成する憲法法廷に提起できる。現在の大法官15人は民進党の蔡英文前政権下で任命されており、関連法が違憲と判断される可能性が高いとの見方もある。