若鯉のパンチパーマに話題が集まった。広島の2軍本拠地、山口・由宇練習場ではなく、マツダスタジアムで開催となった6月15日のウエスタン・ソフトバンク戦。そこで高卒2年目の内田湘大内野手(19)がサイドを刈り上げ、前から後ろにかけ細かく巻いた髪形をお披露目した。

「(パンチパーマの理由は)特にないんですけど、この先やることがない(からやろうと)」

群馬・利根商高から2023年にドラフト2位で入団した右打者で、183センチ、97キロの堂々たる体格は鈴木誠也を彷彿とさせる。プロ2年間で1軍出場はないものの、2軍では昨季86試合に出場し、打率・163、0本塁打、22打点。今季はここまで54試合に出場し、打率・204、2本塁打、20打点とパンチ力を発揮しつつある。

鍛錬の場、2軍では助っ人を除き、金髪に染めたり、ひげを生やしている選手は見かけない。高信二2軍監督(57)は「俺は(2軍の)ルールはわからない。風紀委員長じゃないんだから」と断った上で「いいんじゃないかな。金髪は駄目だけど、パンチははやらせないといかん!!」とユーモアたっぷりに〝歓迎〟した。

リーグ優勝5度、日本一3度の1970年代から80年代にかけて活躍した山本浩二氏や衣笠祥雄氏はパンチパーマをビシッと決め、男らしく振る舞った。近年は名二塁手・菊池涼介や遊撃手・矢野雅哉が伝統の髪形に挑戦しており、内田が先輩に続いた。

パンチパーマは極細棒で小さく、細かく巻き上げる髪形で昭和に流行した。近年は緩めにパンチパーマをかけ、ジェルなどで水にぬれたように仕上げる「ぬれパン」が人気を集めており、令和で再ブームが来る日は近いかもしれない。

「今は打席でタイミングの取り方を意識しています。まだ取れる時と取れない時がある」

ワイルドな見た目とは一転、内田は現状を丁寧に説明する。チームの懸案事項の一つが右の長距離砲の育成。気合の〝パンチ〟でいつの日か1軍に殴り込みだ。(柏村翔)