資生堂レディス第2日(29日、神奈川・戸塚CC=6697ヤード、パー72)前日中止となった第2ラウンドが行われ、8位で出たアマチュアの荒木優奈(19)=宮崎・日章学園卒=が68で回り、通算7アンダーの4位に上昇した。首位と2打差から、ツアー史上9人目のアマチュア優勝を果たしての即プロ転向を目指す。68と伸ばした堀琴音(28)=ダイセル=が通算9アンダーで首位。昨年大会2位の桑木志帆(21)=大和ハウス工業、前週優勝の小祝さくら(26)=ニトリ=が1打差の2位につけた。

失うものは何もない。アマチュアの荒木が5バーディーを奪い、首位との差を4打から2打に縮めた。4番(パー4)でボギーが先に来たが、19歳は動じなかった。

「ボギーが先行した方が気合が入るか知らんけど、結構よかったりするんですよ」

7番(パー5)で4メートル、8番(パー3)は7メートルのバーディーパットを沈め、後半も3バーディー。昨年9月からパットのイップスに苦しみ長尺パターを使う中、パット数は27とグリーン上が好調。「最初はアイアンが左にしか行かなくて、80ぐらい打つんじゃないかと思ったけど、本当にパットがよかった。奇跡みたいなゴルフ」。ツアー出場11戦目での躍進に、口調も滑らかだ。

2年前の「日本ジュニア(15〜17歳の部)」を制した実力者。日本ゴルフ協会選出のナショナルチームにも所属したが、昨年のプロテストは初日を67で出ながら以降80、75と大崩れ。最終ラウンドに進めず涙を流した。

高校を卒業し、現在は地元の熊本・玉名市のゴルフ場で月に2度ほどキャディーのアルバイトをしながら腕を磨く。「お客さんにつくと、(ピンに対して)めっちゃ手前から転がしていったりとかする。自分は攻めたくてガンガン突っ込んでしまうけど、冷静な判断をされているお客さんがいて面白い」。仕事から得た学びも生かしている。

プロテストは9月の2次予選から受験するが、史上9人目のアマチュア優勝となれば一発でプロ転向できる。「ここ2日は手前から(攻略する)というテーマを守った上でここまで伸びた。明日も安全に」。プロへと続く道を、荒木が泥臭く突き進む。(阿部慎)

■荒木 優奈(あらき・ゆうな) 2005(平成17)年6月17日生まれ、19歳。熊本・玉名市出身。4歳でゴルフを始める。宮崎・日章学園2年時の22年「日本ジュニア(15〜17歳の部)」優勝。同3年時の23年「トヨタジュニアW杯」で個人・団体の2冠。得意クラブはパター、ドライバー平均飛距離240ヤード。156センチ。