明治政府の発足直後、岡山藩士と外国兵が衝突した「神戸事件」の責任を負って切腹した藩士・瀧善三郎を広く知ってもらおうと、瀧の出身地である岡山市北区御津地区の朝日塾中等教育学校(同御津紙工)生徒らが瀧を題材に大型アート作品を制作した。七曲神社(同御津金川)一帯で6日に開かれる七夕祭りでお披露目する。

 作品は縦1・8メートル、横7・2メートル。合板8枚にペンキで刀を構える瀧をイメージした侍や天の川、竹、赤い鳥居をイラスト風に描いた。神社や生徒らでつくる「七曲七夕みたま祭り実行委員会」が企画し、デザインは月刊誌「小説すばる」で瀧をモデルに連載中の小説で挿絵を担当するイラストレーター藤井雄唯さん(39)=同市北区=が生徒のアイデアを参考に考えた。

 28、29の両日、中等部2年から高等部3年までの有志や地域住民ら約30人が神社で作業。生徒らは藤井さんの指導を受けて下絵を描き、筆やはけで塗って仕上げた。作品は祭り後、境内に常設する。

 高等部3年の生徒(17)は「みんなで協力して迫力ある作品になった。大勢に見てもらい瀧を知ってほしい」と話した。

 神戸事件は1868年、神戸で岡山藩が隊列を横切った外国兵を負傷させ、重大な外交問題になったが、責任者だった瀧が切腹し決着した。