NEXCO中日本管内では、車両火災が原因による通行止めが年間約30件、月平均2回以上発生し、通行止めの平均時間は5時間以上の長時間に及んでいるという。GWもいよいよ後半、NEXCO中日本では車両火災や故障を未然に防ぐためにも出発前の車両点検などを呼びかけている。

2024年2月9日 新東名高速道路の車両火災=静岡市葵区


2024年2月9日、静岡市葵区の新東名高速道路下り線の北沼上トンネル内で発生した車両火災では、下り線 が新清水 IC~新清水 JCT間で、14時間55分(9日午後4時5分〜10日午前7時)の長時間の通行止めとなった。車両火災が発生すると、消火作業やレッカー作業、復旧作業などで長時間の通行止めや渋滞が発生するという。

2024年2月9日 新東名高速道路の車両火災=静岡市葵区


このような車両火災を原因とする通行止めは、NEXCO中日本管内では2021年以降、年間約30件、月平均2回以上発生していて、1回あたりの通行止め時間は最長で19時間以上と長時間に及ぶという(NEXCO中日本調べ)

2023年6月28日 新東名高速道路の車両火災=静岡市葵区


延べ通行止め件数と延べ通行止め時間 (内は最長の通行止め時間)
2021年 28件 137時間26分(16時間01分)
2022年 26件 112時間12分(19時間06分)
2023年 28件 145時間54分(15時間09分)
2024年   4件   32時間  3分(14時間55分)*1月1日〜2月29日

2023年6月28日 新東名高速道路の車両火災=静岡市葵区


加えて、通行止めを伴わない車両火災も多数発生していて、道路構造物に損傷を与える事案では、原状復旧に長時間要しているという。

さらに知っておかなければならないことは、車両火災により道路や設備が損傷した場合は、道路法に基づき、復旧に要した費用がドライバー本人や雇用主に請求されるということだ。それが道路法第58条だ。

道路法第58条(原因者負担金)
道路管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。

車両火災が発生すると、生命の危険や車の焼損だけでなく、多額の費用を請求されるおそれもあるということだ。

2024年4月21日 新東名高速道路の車両火災=静岡市清水区


2024年4月下旬にも、静岡市清水区の新東名高速道路上り線トンネル内でで乗用車から出火し約2時間半通行止め(4月21日)、静岡県小山町の東名高速道路下り線で大型トラックから出火(4月24日)と車両火災が相次いだ。

2024年4月24日 東名高速道路の車両火災=静岡・小山町


車両火災の多発を受けてNEXCO中日本は、車両火災の原因となる「エンジントラブル」や「タイヤバースト」などを含む車両の故障を未然に防ぐため、「日頃の車両点検」や「出発前の点検」を呼びかけている。特にGWは普段、車に乗らない人も車で出かける機会が増えるので、出発する前の車両点検をお願いしたいと話している。