静岡県は7月2日、県内の幼稚園などにおける通園バスの安全装置の最新の設置率を発表しました。設置義務化のきっかけとなった牧之原市のバス置き去り事件の判決は4日の予定ですが、子どもの安全を守る現場の実情はどのように変化しているのでしょうか。

静岡市駿河区の南八幡幼稚園です。2023年8月から通園バスに安全装置を設置しました。2日、県は6月末時点の県内の幼稚園、保育園などにおけるバス置き去り防止の安全装置の設置率は99.9%になったと発表しました。

2022年9月、牧之原市の川崎幼稚園で起きた園児のバス置き去り事件。当時3歳だった河本千奈ちゃんが通園バスの中に約5時間にわたり取り残され、熱中症で死亡しました。この事件を受け、2023年4月、国がバスの安全装置設置を義務付けたことで、ほぼ全ての園に安全装置が設置されたことになりました。

<南八幡幼稚園 松本幸真園長>
「エンジンを運転手さんが切ると、こちらの置き去り防止のシステムが作動します。作動するとアラームが鳴り始めます。アラームを止めるためには必ず後ろに行って、この赤いボタンを押すとアラームが消えるそんなシステムになっています」

アラームを止めるため、移動することで必然的に運転手が車内を見渡すことができます。川崎幼稚園での事件を経て、現場では何が変わったのでしょうか。

<南八幡幼稚園 松本幸真園長>
「先生たちの意識、僕の意識も含めてそうなんですが、バス以外のところでもヒヤリハットは幼稚園でたくさんあるので、安全に子どもたちを預かれるようにいろんなところを考えていかなければいけないと思っています」

子どもを預かる現場での安全管理を見直すきっかけとなった事件、静岡地裁が4日、元理事長らに判決を言い渡します。

川崎幼稚園の事件では、園長が臨時で運転手を務めた際に事件が起きましたが、南八幡幼稚園の松本園長は「ブザー式の安全装置が導入されることにより、普段とは異なる人が運転手を務めても必ず車内を確認するようになるのがこのシステムの強み」だと話しました。