深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、天鍵電声(301383/深セン)が5月29日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2906万株を発行予定で、公募価格は46.16元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2015年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。小型電気音響部品、コンシューマーエレクトロニクス用・工業用・車載用電器音響製品、健康用音声学製品の研究開発、製造、販売を主業務としている。新エネルギー自動車の普及が進み電気音響製品のニーズが絶えず高まる中で、先進的なハードウェア設備、経験豊富な研究チーム、充実したサプライチェーンにより顧客に電気音響分野のワンストップによるソリューションを提供する。主な製品は有線・無線のヘッドホン、完全ワイヤレスイヤホン、インナーイヤー式イヤホンなどで、ハーマン、ゼンハイザー、フィリップス、モトローラ、ボーズ、ロジテック、OPPO、VIVO、百度など中国および世界の著名なブランド、メーカーを顧客に持つ。
 
 22年12月期の売上構成は、イヤホン・ヘッドホン製品が90.32%で、この内ヘッドホンが55.43%、完全ワイヤレスイヤホンが27.31%、インナーイヤー式イヤホンが7.58となっている。このほか、トランシーバー部品・車載部品が4.89%、スピーカーおよびスピーカーユニットが1.66%、補聴器などの健康用音響製品が1.81%となっている。また、95%前後がODM形式による製造、販売で、自社ブランドの売上は0.36%に留まっている。地域別では中国国内向けが約20%、海外向けが約80%で、海外では北米、欧州地域に売上が集中している。
 
 22年12月期の売上高は11億2571万元(前期比20.20%減)、純利益は6784万元(同48.81%減)。23年1〜3月期の売上高は2億7203万元(前年同期比20.37%増)、純利益は1935万元(同43.74%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)