17日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比56.61ポイント(0.29%)高の19433.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が23.05ポイント(0.34%)高の6894.43ポイントと続伸した。売買代金は910億2520万香港ドルに縮小している(16日の前場は1142億5610万香港ドル)。
 前日の好地合いを継ぐ流れ。中国の景気支援スタンスなどが引き続き相場の支えとなっている。ハイテク大手の決算上振れも追い風となった。ただ、上値は重い。中国経済の成長鈍化が懸念されたほか、米中対立の激化も不安視された。取引時間中に公表された中国経済指標はまだら模様。今年4月の鉱工業生産は予想を上回ったものの、4月の小売や1〜4月の固定資産投資が予想にとどかなかった。1〜4月の不動産開発投資は減少率が拡大している。指標発表後、指数は上げ幅を削り、一時マイナス圏で推移した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が6.8%高、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が5.2%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が3.0%高と上げが目立った。アリババに関しては、米国の著名投資家が今年第1四半期(1〜3月)に同社株を買い増していたことが判明し、材料視されている。百度集団については、1〜3月期決算が減益ながらも予想を上回ったことを好感した。
 中国不動産セクターの一角も高い。上記した龍湖集団のほか、融創中国HD(1918/HK)が9.5%、雅居楽集団HD(3383/HK)が6.8%、遠洋集団HD(3377/HK)が5.3%ずつ上昇した。政策期待が続いている。報道によれば、中国国務院(内閣に相当)が不動産支援策を巡り、関係部局や地方政府、銀行など主要な当局者を招集して17日午前に協議したもようだ。
 空運セクターもしっかり。大手3社の中国東方航空(670/HK)が2.9%高、中国国際航空(753/HK)が1.5%高、中国南方航空(1055/HK)が0.6%高で前場取引を終えた。各社が報告した4月の営業実績は、それぞれ旅客数のプラス成長が継続している。
 半面、家電やスポーツ用品など消費関連の一角は安い。TCL電子HD(1070/HK)が7.5%、海信家電集団(921/HK)が4.5%、中国動向(3818/HK)が1.3%、安踏体育用品(2020/HK)が1.2%ずつ下落した。
 前日に買われたセメントやゼネコンのインフラ建設関連もさえない。中国建材(3323/HK)が2.8%安、中国西部水泥(2233/HK)が1.6%安、華潤建材科技HD(1313/HK)が0.6%安、中国交通建設(1800/HK)が1.7%安、中国鉄建(1186/HK)が1.2%安で引けた。
 一方、本土マーケットは小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%安の3119.27ポイントで前場の取引を終了した。素材株が安い。医薬株、消費関連株、金融株、インフラ関連株、海運株なども売られた。半面、不動産株は高い。公益株、エネルギー株、軍事関連株、空運株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)