移籍が決まった当初の期待値は、決して高くなかった。だからこそ、シーズン途中からの貢献は評価されている。ただ、絶対の立場を確立したわけではないのも事実だ。

 日本代表のキャプテンを務める遠藤航は今季、シュトゥットガルトからリバプールに加入した。若手有望株の獲得に相次いで失敗してからの取引だっただけに、最初はパニックバイとも評された。序盤戦で適応期間を必要としたことは否めない。

 しかし、シーズン半ばからは守備的MFとして獅子奮迅の活躍を披露。1月のアジアカップ出場で戦列を離脱したときは強く惜しまれ、中盤に欠かせない存在と称賛されることもあった。

「ファンの声」を紹介する英公共放送『BBC』の記事で、リバプール専門サイト『Empire of the Kop』のジョーダン・チェンバレン氏は、遠藤を今季のチームの「アンサングヒーロー」に選出した。功績があまり騒がれることのない、隠れた英雄的な存在ということだ。

「加入時にはバカにされたが、日本人選手はわずかにエリートレベルには及ばないものの、シーズンを通じて立派に戦った。リーグカップ決勝や、ホームでのマンチェスター・シティ戦でのパフォーマンスは戦士のようだった」
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 一方で、リバプールは来季に向けた補強ポイントのひとつが守備的MFとも言われている。遠藤では不十分との指摘も散見される。チェンバレン氏も、獲得を望む選手について、「適切な守備的MFが必要だ」と述べた。

「残念だが、昨夏のベストプレーヤーだったデクラン・ライスはアーセナルに行った。これはミスだった。これから(技術部門を率いるマイケル・)エドワーズがクリエイティブにやる必要がある。パリSGの(マヌエル・)ウガルテとかかな」

 ユルゲン・クロップが去り、アルネ・スロットを後任監督に迎えたリバプールは、新たな時代に突入する。再び厳しい挑戦に臨む遠藤は、リバプールの絶対的なヒーローになれるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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