チャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)を戦うレスターに、財務規定違反に伴う勝ち点剥奪処分の可能性が浮上しているようだ。7日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。


 2015−16シーズンには元日本代表FW岡崎慎司(現:シント・トロイデン)らを擁し、昇格初年度での“奇跡”のプレミアリーグ優勝を成し遂げたレスター。その後もトップリーグに定着し、2020−21シーズンにはFAカップを制覇したものの、昨シーズンは18位に沈み、2部降格の憂き目に遭った。1年でのプレミアリーグ昇格を目指す今シーズンは、ここまで36試合を消化したチャンピオンシップで勝ち点「81」の首位につけている。


 最短1年でのトップリーグ復帰に向けて邁進中のレスターだが、クラブが抱える財政問題により、勝ち点剥奪処分の危機に瀕しているという。報道によると、同クラブは今月末に発表する昨シーズンの決算において、プレミアリーグが定めた許容額である1億500万ポンド(約200億円)を上回る損失額を計上する模様。収益と持続可能性に関する規則(PSR)に抵触する可能性があることから、早ければ来週にもプレミアリーグから正式に提訴される見込みだという。


 財務規定違反が認められた場合には、勝ち点剥奪等の厳しい処分が課されることになるが、レスターへの処分の適用は来シーズンになる可能性が高いとのこと。現状ではチャンピオンシップのクラブへ処分を課すことも認めらているものの、財務規定に関するルールが改定されたのがレスターの降格後だったため、今シーズン中の処分は免れるようだ。また、この件に関する独立委員会の調査および審理、クラブからの不服申し立て等を考慮すると、今シーズン中の処分は極めて困難であるとも伝えられている。


 レスターは現地時間6日に公式声明にて「収益と持続可能性に関する規則に関してサッカー当局と協議中である」と認めつつ、「クラブはこの問題に関し、適切かつ包括的な結果を追求するべく引き続き取り組んでいる」と発表した。


 今シーズンにおいては、エヴァートンが過去の会計期間においてPSRに違反したとして、勝ち点「6」剥奪(当初は勝ち点「10」の剥奪だったが、上訴委員会の判断を受けて処分軽減)処分を課され、ノッティンガム・フォレストについても処分の可能性が度々報じられている。