2023−24シーズンもいよいよ終盤戦へ差し掛かり、各国リーグのタイトルレースも佳境を迎えつつある。イングランドではリヴァプール、マンチェスター・シティ、アーセナルが三つ巴の争いを繰り広げ、イタリアではインテルが無類の強さを誇るなか、ドイツでは長らく続いていた“一強時代”に終止符が打たれようとしている。


 残り10試合となったブンデスリーガで、初のマイスターシャーレ獲得に向けて邁進しているのがレヴァークーゼンだ。就任2年目のシャビ・アロンソ監督が率いるチームは、攻撃的なサッカーで勝ち星を積み重ね、勝ち点「64」で首位を快走。先月には2位バイエルンとの“天王山”に3−0で快勝し、現在はリーグ11連覇中の“絶対王者”に「10」ポイント差をつけている。また、今シーズンは全公式戦を通じて未だ無敗を継続しており、ドイツ新記録を更新中だ。


 そんなレヴァークーゼンにおいて印象的なパフォーマンスを披露しているのが、3−4−2−1システムの両ウイングバック(WB)を担うオランダ代表DFジェレミー・フリンポンとスペイン代表DFアレハンドロ・グリマルドだ。右サイドを主戦場とするフリンポンは縦への速いドリブル突破を得意としているほか、今シーズンは逆サイドからのクロスに飛び込む動きも増加。ここまで公式戦31試合に出場し10ゴール10アシストをマークしている。


 そして、左サイドから攻撃を活性化させているのが、今シーズン新加入のグリマルドだ。バルセロナの下部組織からベンフィカを経て、ドイツへ活躍の場を移した28歳は、すぐさまシャビ・アロンソ監督の戦術に適応。卓越したテクニックと高精度の左足を兼ね備えており、インサイドに絞ってのプレーも難なくこなす。こちらは公式戦34試合の出場で11ゴール11アシストをマークしており、フリンポンと同じく二桁ゴール・二桁アシストを達成している。


 フリンポンとグリマルドが挙げた合計「21」ゴールは、レヴァークーゼンが全公式戦を通じて記録した「101」ゴールの実に約21パーセントにも及ぶ。スペイン紙『マルカ』が7日に掲載したデータによれば、欧州5大リーグに所属するサイドバック(SB)またはWBで、フリンポンとグリマルド以上にゴールに直接関与した選手はいないという。範囲を広げると、レンジャーズ所属のイングランド人DFジェームズ・タヴェルニエが21ゴール10アシストをマークしているが、出場時間に対する割合で見た場合には、フリンポンとグリマルドがより優れた成績を残しているようだ。


 もちろん、レヴァークーゼンの強さは両WBだけでなく、中央ではドイツ代表MFフロリアン・ヴィルツが攻撃のタクトを振るい、現在は負傷離脱中のナイジェリア代表FWヴィクター・ボニフェイスもここまで16ゴールと得点力の高さを見せつけている。正にどこからでも点が取れる今シーズンのレヴァークーゼン。今後の戦いにも注目だ。