モロッコ代表を率いるワリド・レグラギ監督が、スペイン代表からの“鞍替え”を果たしたMFブラヒム・ディアス(レアル・マドリード/スペイン)について語った。21日、スペイン紙『アス』が報じている。


 スペイン南部・マラガ生まれのブラヒム・ディアスは、ジブラルタル海峡を挟んだモロッコにもルーツを持っており、双方の代表チームでプレーする権利を有していた中で、育成年代からスペイン代表を選択。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の下で、U−21EUROにも出場した他、2021年6月の国際親善試合ではフル代表デビューを飾っていた。しかしその後は、“ラ・ロハ”から声が掛からない一方で、モロッコ代表からの熱烈なラブコールを受け取ることに。そして今回、代表ウィーク前に鞍替えを決断。22日のアンゴラ戦でのデビューが期待され、背番号は『10』を着用するようだ。


 ついに“アトラスのライオン”に加わったB・ディアスだが、その実、この決断は前々から下されていたという。チームを率いるレグラギ監督は「ミランにいた時から、彼とは約束も、合意もしていた。1年半前からずっと話をしていたんだ」と告白。続けて「彼がモロッコに到着するためには、まずレアル・マドリードに戻らなければならなかった。国民はブラヒムを誇りに思わなければならない。好都合だのと言う人々には、彼がスペインに呼び出されていただけだと理解してもらいたい。私との約束を果たし、一緒に来てくれたのだから」とスペイン側による慰留に耳を傾けたものの、最終的にはモロッコ代表を選択していると強調した。


 また、レグラギ監督は「ブラヒムは、私にいくつかの選択肢を与えてくれた。ただ彼にとっては、明日(の試合)は簡単にはならないだろうし、忍耐強く続けていく必要がある。少しでも早くチームに慣れて、方向性を把握して欲しいね」と適応には時間を要するとした上で、「このレベルの選手がいることを嬉しく思うよ。彼がどのポジションでプレーするかは、明日になればわかるだろう」とアンゴラ戦での起用を示唆した。


 さらに、今夏に控えるパリオリンピックに臨むU−23モロッコ代表に“オーバーエイジ枠”としてB・ディアスを招集したいと公言。同指揮官は「レアル・マドリードの監督が許可するなら、ブラヒムにはパリ五輪に出場して欲しい」と語っている。