チャンピオンズリーグ(CL)準決勝ファーストレグが現地時間5月1日に行われ、ドルトムントがパリ・サンジェルマン(PSG)を1−0で下した。


 本拠地『ジグナル・イドゥナ・パルク』の大声援を受けたドルトムントは、36分にニコ・シュロッターベックのロングフィードに抜け出したニクラス・フュルクルクが、絶妙なトラップから鋭いシュートを突き刺し先制に成功。後半はキリアン・エンバペとアクラフ・ハキミにポスト直撃のシュートを放たれるなどPSGの反撃を受けるも、マッツ・フンメルスを中心に粘り強い対応を見せ最後までゴールを与えず。1−0で試合を終え、決勝進出へ前進した。


 値千金の決勝ゴールを記録したフュルクルクや、欧州サッカー連盟(UEFA)選出のマン・オブ・ザ・マッチに輝いたフンメルスもさることながら、この試合で傑出したパフォーマンスを披露したのがイングランド代表FWジェイドン・サンチョだ。マンチェスター・ユナイテッドからレンタル加入中の背番号「10」は、得意のドルブルでPSG守備陣を翻弄し、何度も好機を演出。得点に絡むことはなかったものの、イギリスメディア『スカイスポーツ』やデータサイト『Sofascore』の採点では、両チーム通じて最高評価を受けている。


 眩い輝きを放ち、ドルトムントの勝利に大きく貢献したサンチョだが、この試合で実に「12回」のドリブル成功数を記録。データサイト『Opta』の集計によると、CL準決勝におけるドリブル成功数としては、2007−08シーズンのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(当時:バルセロナ)が記録した「16回」に次ぐ好記録とのこと。また、イングランド人選手としては、2003−04シーズン以降のCLにおける最多記録となっているようだ。


 そんなサンチョは『CBSスポーツ』にて「感謝しているよ。でも、まだ終わりではないし、パリに行かなければならない。そこで仕事を成し遂げられることを願っているよ」とPSG戦を振り返りつつ、「1試合1試合を大事にしているよ。僕は17歳でここへ来て、プロのフットボールでプレーする機会を与えてもらった。僕を歓迎してくれた選手やスタッフと共に喜んでいるよ」と今年1月に約2年半ぶりの復帰を果たしたドルトムントへの感謝を語った。


 エリック・テン・ハフ監督との関係性が悪化し、出場機会から遠ざかっていたサンチョだが、古巣ドルトムント復帰後はここまで公式戦17試合に出場し3ゴール2アシストをマーク。躍動感あふれるパフォーマンスで“復活”を印象付けている。決勝の地『ウェンブリー・スタジアム』への切符をかけたセカンドレグでの活躍にも期待がかかる。



【動画】ドルトムントがPSGに先勝! CL決勝進出へ前進