日本サッカー協会(JFA)は24日、6月に行われるFIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選に臨むメンバーを発表。FW鈴木唯人(ブレンビー/デンマーク)が、2022年1月の国内組トレーニングキャンプ以来となるA代表入りを果たした。


 現在22歳の鈴木は、清水エスパルスでプロデビューを飾り、ストラスブールへの期限付き移籍も経験しながら、現在は昨年8月に完全移籍加入したブレンビーでプレー。今季はシーズン前半戦こそ途中出場が続いていたものの、後半戦に入ると不動の地位を築き、デンマーク・スーペルリーガの上位ラウンドが開催されている現在、首位に立つブレンビーの攻撃陣をけん引する存在として活躍中だ。今季はここまで公式戦31試合のピッチに立ち、11ゴール10アシストを記録している。


 この活躍が評価され、鈴木は清水エスパルス在籍時の2022年1月に行われた国内組トレーニングキャンプ以来となるA代表入りを果たした。日本代表を率いる森保一監督は、「彼のことはJリーグでプレーしている時も、フランスでプレーしている時も、現在のデンマークでプレーしている時も、継続して成長を見させてもらっていました」と明かし、次のような言葉で招集を決断した理由を説明した。


「デンマークで、日本とは違ったサッカーのなかで、国際試合でより力を発揮できるようになっています。得点に絡むという、彼の攻撃面での良さを、局面局面で激しく戦うなかでも発揮できているというところを見させてもらい、招集させてもらいました」


 また、日本代表は既に3次予選(最終予選)への進出を決めており、今回は数少ない代表活動のなかで“常連組”が中心となりながらチーム力を高めていくという側面も持ち合わせている。久々の招集を受けた鈴木に関して、森保監督は「今の実力でも戦力になってくれると思いますが、この6月の活動を経てさらに成長してくれると期待しています」との言葉で、今回だけでなく将来を見据えた上での“進化”を求めた。


 なお、鈴木に関しては、これまでパリオリンピック2024を戦うU−23日本代表の“エース”として活躍していたものの、今回はA代表への招集を受けている。従来、U−23日本代表に招集可能な選手であってもA代表を優先して活動をしてきたが、森保監督はこの6月からパリ五輪本大会までは、U−23日本代表を優先して強化する意向を示していた。


 一方で、U−23日本代表は、今回のA代表の活動期間と同時期にアメリカ遠征を実施。このような状況のなかで鈴木をA代表に呼んだことについて、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは会見にて「(オリンピックは)FIFAルールでインターナショナルウイーク以外なので招集できないなか、クラブから派遣できないという結論に現状では至ったので、こちらに専念して、9月からのワールドカップ最終予選に備えるという流れになります」と説明。FIFAの定めるインターナショナルマッチウイーク以外の活動となるオリンピックでのプレーを、現段階では見送らざるをえないという見解を示していた。