宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有人宇宙技術部門は2024年2月19日、日本も参加し国際協力で開発される月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」の国際居住棟(I-HAB)プロジェクトのミッションマークを選定したと発表しました。【最終更新:2024年2月28日15時台】

【▲JAXAゲートウェイ居住棟プロジェクトのミッションマーク(Credit: JAXA)】【▲ JAXAゲートウェイ居住棟プロジェクトのミッションマーク(Credit: JAXA)】

ゲートウェイは米国が主導する有人月面探査計画「アルテミス」における中継拠点として建設が計画されており、推進モジュール「PPE(Powe and Propulusion Element)」、居住モジュールの「HALO(Habitation and Logistics Outpost)」、国際居住棟「I-HAB(International Habitation Module)」などから構成されます。日本はHALOの電力バッテリーやI-HABの生命維持・環境制御システムの開発と提供を担当します。

【▲ゲートウェイの各モジュールについて(Credit: NASA)】【▲ ゲートウェイの各モジュールについて(Credit: NASA)】

ゲートウェイ居住棟プロジェクトのミッションマークは2023年11月11日に開催された「筑波宇宙センター特別公開2023」で投票により選定されました。JAXAによると、今回選ばれたミッションマークは、「月周回、そしてその先の火星探査へ繋げる」ことを地球・月・火星をモチーフとして表現。また下部に配置されている「GATEWAY」の文字は、「A」を門の形に配置することで、月への入口をイメージしたデザインになっています。

マークの右に描かれる星は、アルテミス計画で使用されるNASAの新型宇宙船「オリオン(Orion、オライオン)」にちなみ、オリオン座の配置です。また、マークの中の星は全部で10個描かれていますが、これは四字熟語「十人十色」から多様性のあるチームをイメージし、個数をデザインしています。そしてミッションマークの枠線の色である緑は生命、赤は日本を代表するプライドを表現します。

さらに上部の「BREATHE LIFE INTO THE LUNAR FRONTIER」の文字は、

・月探査の最前線に新たな息吹を起こす
・新たなフロンティアで人間が呼吸できる空間をもたらす
・月への進出成功に感動で息をのむ

の3つの意味が込められているということです。

関連記事:UAEの宇宙機関が月周回有人拠点「ゲートウェイ」のエアロックを提供へ 有人宇宙開発で協力進む(2024年1月10日)

 

Source

JAXA 有人宇宙技術部門 - ゲートウェイ居住棟プロジェクトのミッションマーク、決定! NASA - NASA Gateway’s Program

文/出口隼詩 編集/sorae編集部